虫がヒントになったトンネルの掘り方って??

あそ部活動日誌

虫がヒントになったトンネルの掘り方って??

みなさんこんにちは!今回の日誌は蜜浦(私の紹介記事はこちら)が担当します!
突然ですがみなさんは、いつも何気なく使用している、交通トンネルや地下街、ライフラインの為のトンネルや下水道がどのようにして作られているかご存じですか?
私も豊開発に入社するまでは、想像がつきませんでした。
が、先日、東大阪市内で行われている、トンネル工事の現場見学に行き長年の謎が解明しました!
現場は、ゲリラ豪雨などの大雨時、既存の下水管では流しきれない雨水を一時的に貯留し
排水するための「増補管」を整備する工事を行っています。
下水管工事としては、比較的大きなトンネル工事で、距離約2.3km・直径4mの長さです。しかも二次覆工(にじふっこう)という、コンクリートを二重にする作業が行われており、令和元年から続いている期間も長い工事となっています!
いくつかのトンネル施工方法(掘削方法)がありますが、今回見学に行った現場では「シールド工法」と呼ばれる方法が採用されていました!
この業界に長く勤める方でもめったに入れない現場だったみたいで、すごく貴重な経験をさせていただきました!

シールド工法とは
まずは、シールド工法についてご説明します!
シールド工法とは、シールドマシン(下の写真)という機械を使ってトンネルを掘り進めていく方法のことです!

出典:鹿島建設株式会社.(1995年-2024年)工法実績 | シールドトンネル技術

この機械でどうやってトンネルを掘るの?と思いませんか?
私も初めて見たときは「???」でした。(笑)
まず、先端の丸い盤(青色の部分)には、非常に硬い金属の刃(カッタービット)が取り付けられており、この盤を回転させながらジャッキ(伸縮する足のようなもの)を伸長させることでシールドマシンが前進し、前面の土を掘っていきます。
そして、掘った部分が崩れてこないよう後に続いてブロック状の壁(セグメント)をリング状に組み立てていくというやり方です。

※改めて、トンネルの掘り方の手順
①カッタービットで土を掘る
②前へ進む(カッタービットを回しながらジャッキを伸長)
③壁(セグメント)を組み立てる→ジャッキが縮む
シールドマシンでこの3つの作業を繰り返し行うことでトンネルができていきます!

出典:株式会社大林組.(2021年8月). 楽しくわかる!トンネルの世界「シールドトンネル編」|トンネルを知ろう!OBAYASHI TUNNEL WORLD

シールド工法について
トンネルを掘るのに必要なシールド工法開発のヒントになったのは、なんとフナクイムシ。木造船の材木を食べて、その穴を石炭質で固めて生息するフナクイムシの生態に着目したフランスの技師がシールド工法の原型を考案したという歴史があるそうです!

昔はすべて手作業で進められていたというシールド工法。考えるだけで気が遠くなりそうな作業ですよね。
しかし、今は人力から機械(シールドマシン)になり、工事の安全性や効率性が上がったことで幅広くトンネル工事でシールド工法が採用されるようになりました。
といっても、今でも機械がすべて自動でやってくれるというわけではなく、ブロック状の壁(セグメント)を設置する際では、微妙なずれや固定する作業は全て職人さんの手作業だそうです!
トンネル内の作業は、気温40度の湿度90%になることもあり、さらに、工事が進むにつれて出口が遠くなるため、昼休憩も含めて一日中トンネル内で過ごす人も。
「ポカリスエットやアクエリアスでは意味ないね!みんな経口補水液のOS1飲んでるよ!」と現場の人。本当に過酷で危険が伴う作業だということが伝わってきました。

もっと知ってほしい土木・建設業界の魅力!
土木・建設業界は、今回のトンネル工事以外にも建物や道路、橋などのインフラ整備や環境保全に携わる業界であり、人々の生活に密着していることや社会に貢献できることなど、魅力満載なお仕事です!!
今回の現場も、大雨などの災害時に道路が浸水しないために行われているトンネル工事であり、まさに人々が安心・安全に暮らせる街づくりに貢献しています!
土木と聞いて、「泥臭そう」「地味だなぁ」といったイメージを抱く人もいるかもしれません。
しかし、土木・建設業の仕事は、社会にとって絶対に必要なことであり、生活になくてはならないもの。
今回現場へ見学に行かせていただき、改めてすごく魅力的でやりがいのあるお仕事だと感じました!

トンネル工事に、豊開発も貢献してます!
今回、見学に行かせていただいたシールドトンネル工事の現場では、トンネルを掘った際に出た土を、一時的に保管する場所を確保するための土留工事(※1)や「立坑」と言って、地下にシールドマシンを入れるために作られた縦に掘った穴の土留工事(※2)を豊開発が行っています!
トンネルを掘るまでにも、まず防音ハウスを建ててその中に立坑を作り土留工事を行う、そこからやっとシールドマシンでの掘削工事が始まります。

見えない仕事でも絶対に必要なお仕事
このように工事の現場では、長い期間をかけていくつかの工程を踏み工事が進められていきます。色々な企業や施工業者の皆さんが協力し合い、それぞれの役割を担うことで一つの工事が完成します!
現場に行き実際に工事を見させてもらったり、現場の方のお話を聞くと今まで想像もしていなかったような事が地面の中で行われていて、工事の奥深さに感動しました!!
これからも、もっといろんな方に土木・建設業の魅力を知ってもらえるように私自身も日々勉強に励みたいと思います!

みなさんも一緒に「深堀り」してみませんか??
最後まで読んでいただきありがとうございました!
次の投稿もお楽しみに!

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